母が入院し、慌ただしく2021年が明けました。
当時はまだコロナ禍の真っ只中で、面会時間や人数にも厳しい制限がありました。
なかなか母と話すこともできず、もどかしい日々が続きました。
そんな中、主治医から「このまま保存療法(手術なし)でいくか、それとも手術によって骨を修復するか」を選ぶ必要があると言われました。
母本人は、「一刻も早く、この痛みから解放されたい。できるなら手術をしてほしい」と希望しました。
しかし、詳しい検査を進める中で、心臓に弁膜症などの疾患も見つかり、全身麻酔が必要な手術は厳しいかもしれないことを告げられました。
正直、とても不安でした。
その後の精密検査の結果、幸いにも「手術は可能」との判断が出ました。
ただし、現在入院している病院では対応できないため、市内の大学病院への転院が必要になりました。
それが2021年1月中旬のことです。
母は再び救急車で運ばれ、大学病院へ転院しました。
病院内は、コロナ対策のため、どこも張り詰めたような空気。私たちも最小限の付き添いしかできず、緊張感の中での転院となりました。
母が受ける手術は、簡単に言うと「潰れた骨の中に医療用のセメントを流し込んで、強度を補う」というもの。
間近に神経が通っている背骨という非常にデリケートな部位だけに、万が一、術後に足が動かなくなるリスクもあると説明されました。
けれど、母の苦しみを思えば、主治医の先生を信じてお任せするしかありませんでした。
ここでも多くの書類にサインし、あとは手術の日を迎えるのみ。
緊張と不安を抱えながらも、「どうか無事に終わってほしい」と願うばかりの日々でした。病院帰りの車の中、弟と「今回の件でお母さんの健康寿命はかなり縮んでしまうだろうな」という会話をしていました。
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